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2017.01.16 【報告】
第518回
~最後の若冲・晩年の若冲―「若冲とは何者か」を伏見で辿る~
2017年1月8日(日)終了 <岸田春二記>
海宝寺
「若冲筆投げの間」を拝観する一行

天気:雨 参加人数56名

<今回のテキストは、小説と学術エッセーの2作である。それぞれ、江戸中期の京都画壇の代表的画家であった伊藤若冲を扱った作品で、若冲を再評価して現代に広めた辻氏の事実と、澤田さんのフィクション部分を合わせて読むと「若冲」という人物が立体的に浮かび上がってきそうだ(事務局)>

 

 雨の予報に暗い空を見上げながら、傘をもって家を出る。JR藤森駅の改札を出ると、可愛い童子像が迎えてくれた。ハトを頭上と両手にも乗せた男児像と、あじさいの花束を持った女児像が背中合わせに立つ。内には幸せを外には平和を求めて羽ばたいてゆくかのよう。作者は日展評議員の木代喜司(きしろ よしじ)氏である。

 駅前では、すでに受付が始まっており、講師の大阪文学振興会事務局長の横井三保先生と顔を合わせ、新年の挨拶を交わす。「雨になりましたが、かなり集まりましたね」というと、「30人くらいかなと思っていましたら、意外と来ていただいているようです」と満足そう。

 若冲の生い立ちや人柄、晩年に石峰寺で五百羅漢制作にかかわったことや、本日のコースポイントなどを横井講師から聞いて出発となる。

 西に向かい京都教育大学のキャンパス前を下って「馬と勝運の社」、と神社の商魂を感じさせる藤森神社の大きな看板から鳥居をくぐり、駈馬神事の行われる参道を本殿へと向かう。参拝を済ませ、地下深くからの湧水「不二の水」の前で講師の話を聞く。

 元々、湧き水が出るところの素朴な産土神的存在であった当社が、怨霊を鎮めるための祭神まで祀るようになったいきさつや、とくに、神社の起源には三つのケースがあることに興味を持った。

 その後、宝物館に入る。馬事に関わる小さな博物館。鎧、兜、刀などの武具が展示してあり、中でも過去の駈馬神事の写真が印象に残る。

 宝物館を出て、伊達街道を通り、雨が激しくなってきたのを感じながら、若冲の「筆投げの間」 があるという海宝寺(写真左上)に向かった。

 

 ≪全文は上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:澤田瞳子『若冲』(文藝春秋)、辻惟雄『若冲』(講談社学術文庫)

コース:JR藤森駅<集合>-藤森神社-海寶寺(伊達家伏見上屋敷跡・「若冲筆投げの間」/講演・昼食)-伏見の大名屋敷~桓武天皇陵-龍雲寺(新善光寺また桃山善光寺)-JR桃山駅<解散:約4.5㎞>…近鉄・桃山御陵前駅…京阪・伏見桃山駅

<報告:岸田春二>

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