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2018.06.20 【報告】
第535回
~「火垂るの墓」の記念レリーフと神戸市立御影公会堂~
2018年6月10日(日)終了 <池内洋記>
御影駅前にて
澤之井前

天気:曇りのち雨 参加人数:35名

 天気予報では、今年初の、台風が来るようで、空模様が、何だか怪しげでした。阪神電車、御影駅に10時に集合したのは35名だったそうで、先月につづき雨に祟られ、これでは赤字だろうな、と会の運営を心配する幕開けでした。

 最初の訪問地は、御影駅すぐ近くの“澤乃井”。伝説によると、昔、神功皇后が、この地に立ち寄られた時、御姿をこの泉に映され、化粧されたという言い伝えがあります。この地が“御影”と命名されたという、地名起源にもなった井戸です。阪神電車高架下にある小さなプールほどの池ですが、元々は泉で、奥の丸井戸がその泉跡だとか。その手前、澄んだ水をたたえて鯉も泳ぐ方形の池は、真ん中から湧水が噴水状にあふれ出ています。手前の石の説明板には「第二次大戦中の昭和10年代に防火用水池として造りかえ、さらに阪神淡路大震災後に改修したもの」と刻まれていました。

 “澤乃井”の水は、六甲山から地下を伝って湧きだしたものです。大変、澄んでいて、おいしい水です。この水を使った酒が、灘の酒で、近辺には、全国的に有名な酒造メーカーが、たくさんあります。この“澤乃井”の井戸を見ていると、ローマにある“トレビの泉”を、思い出しました。“トレビの泉”では、コインがたくさん投げ込まれていましたが、“澤乃井”では、コインの投げ込みは、禁止されています。“澤乃井”は、阪神電車の、高架下にあるからでしょう。地元の方でも、知らないという人が多いようだと、近所から参加された方が話をされていました。

『火垂るの墓』に御影国民学校として登場する御影小学校を見た後、やはりアニメに登場する、神戸市立御影公会堂に、到着しました。御影公会堂は、1933年、白鶴酒造第7代目社長、嘉納治兵衛氏の寄付により、建設されました。又、館内には、一族の嘉納治五郎氏の「記念コーナー」が設けられています。

 

 ≪全文は上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:野坂昭如『火垂るの墓』(新潮文庫)、野坂昭如『ひとでなし』(中公文庫)

コース:阪神「御影」駅<集合>…神功皇后・澤之井…上中(清太と節子の町)…御影小学校(外観のみ)…石屋川公園…「火垂るの墓」碑…御影公会堂(講演)・二本松…成徳小学校(外観のみ)…JR「六甲道」駅<解散>

<報告:池内 洋>

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