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2018.11.22 【報告】
第539回
~三の瀬川の渓谷と、愛に染まる紅葉の競演~
2018年11月11日(日)終了 <岩井よおこ記>
法性寺
瀧尾神社

天気:晴 参加人数:41名

 紅葉のシーズン、朝から快晴で、東福寺は紅葉の名所だからきっと観光客でいっぱいだろうな、と覚悟して集合駅へ赴いた。いきなり、受付は駅から100mぐらい伏見街道を南へ上がった瀧尾神社で行います、というので各々その神社へ向かう。京阪の東福寺駅前に受付をする空間はなく、おまけに乗降客がひっきりなし、その配慮なのだろう。途中に会旗を持った案内係の会員さんが立っていた。早く来られ旗持ちを任された方の労をねぎらう意味で「ご苦労さまです」と声を掛けて神社へ向かった。

 出発までの間、瀧尾神社の拝殿天井の彫刻を是非とも見てくださいと言う。全長8mはあるという龍は、躍動感のある立派なもので、京の彫物師・九山新太郎の作。九山家は祇園祭の大船鉾の龍頭も手がけた一派だそうだ。龍が夜な夜な水をのみに出掛けるので金網を設けていたそうだが、現在は大人しくなり、金網はない。大丸の創業者・下村彦右衛門も伏見街道の行き帰りに参拝し、そのおかげで成功を収めたというからご利益は凄いらしい。他にもあちこちに霊獣や干支など数多くの表情豊かな彫刻や、絵馬殿には大丸が奉納した絵馬も掲げてあり、コース予定にない神社の参拝は思わぬ見応えであった。

 車の往来に注意を喚起され、いよいよ出発。先ずは東福寺の前身の寺、法性寺を目指す。現在は西山浄土宗の尼寺で小さなお寺だが、藤原忠平が延長2年(924)、藤原氏の菩提を弔うために大伽藍を擁する氏寺「法性寺」を建立した歴史を伝えているそうだ。拝観は出来ないので、入口から中を覗き込んで少し道を戻り、東福寺北門へ向った。北門から入山すると、左側に仁王門があった。三間一戸の八脚門で切妻造本瓦葺、重要文化財の建物だそうだが、仁王様が東西どちらにも居ないせいか、何やら煤けていて淋しそうに見えた。

 いくつかの塔頭寺院前を通過して、日下門の前をとおり「臥雲橋」へ。三の瀬川に架かる、最下流の橋で、ここから「通天橋」と渓谷「洗玉澗」の紅葉色をした景色が楽しめ、写真を撮る人が多い。橋を渡るのに「通天橋」は有料で、こちらは無料なのだ。その代わりに今日は遭遇しなかったが、ご近所の50ccバイクや自転車も通行するという。紅葉は、映画「愛の流刑地」のロケでは夏の青葉で、上映時はCGで処理して燃え滾る秋を演出したそうだ。

 

 ≪全文は上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:渡辺淳一『野分け』(集英社)、『愛の流刑地』(東京堂出版)

コース:京阪「東福寺」駅(集合)―<鳥羽街道>―法性寺(非拝観)―東福寺【臥雲橋―日下門―東司―三門―偃月橋―龍吟庵(特別拝観)―通天橋(自由)】<方丈・通天橋は拝観自由>―「東福寺」駅(解散)駅

<報告:岩井よおこ>

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