関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2019.06.14 【報告】
第546回
~「恋しくば、訪ね来て見よ…」と、谷崎潤一郎の母恋い~
2019年6月9日(日)終了 <岩井よおこ記>
鑑池史跡公園
信太森葛葉稲荷神社

天気:晴 参加人数:52名

「母恋い」がテーマの今月のカルチャーウォーク。母と子、とくに男の子と母の愛は古今東西、永遠のテーマのようです。私は、しばらく日曜日に他用があり参加できなかったのですが、「母恋い」に惹かれたこともあって久しぶりに出掛けました。京都からはいささか遠く、自宅から集合地までは2時間弱かかりました。初めての土地で、天王寺からの沿線の風景が京都とは随分と違うので、まずは新鮮でした。

 北信太駅の下り改札口のそばに大きな赤い鳥居があり、出発の合図の後、二つ目の鳥居、三つ目の鳥居と辿って、駅から7.8分の信太山葛葉稲荷神社に皆でお詣り。和泉式部の歌碑、芭蕉の句碑を境内に見て、葛葉社の本社に「今日一日、難なく歩けますように」とお詣りしました。その南隣、二股になった樹齢を感じさせる楠に〝お狐さん〟を祀った神社に参拝。小さな池を配した裏側も広く、葛葉姿見の井戸やいくつかの摂社を巡って、再び表の稲荷社社前の「葛葉」の石碑まで戻りました。安倍晴明の出生譚にまつわる「葛の葉伝説」(信太妻)は紹介するまでもないかと思いますが、まさに信太の森を感じさせる境内で、うっそうとはしていないのですが、狐が細い道から現れても不思議ではない空間でした。

「ここからは少し歩きますよ」という言葉に覚悟を決めて、日照りとゆるい勾配の道を「信太の森ふるさと館」へ。風がいくぶん涼しくさわやかなので、助かりました。館は鏡池史跡公園内にあり、鏡池の水面には睡蓮がちょうど真っ盛り。ピンクがかった赤い花が「先にこっちを見て」とでも言うように誘います。「ふるさと館に入って下さい」という係の人たちの声に促され、随意、池を離れました。ここは次に参拝する聖神社の境内だったそうで、葛葉稲荷神社と聖神社全体にかけて広く「信太山」と称したようですが、二つの神社の関係が、それぞれの神社が否定されるそうで分かりませんでした。

 学芸員の方からは、聖神社に残されている森の「植生の遷移」についてや、自然観察のお話をお聞きしたりして、いつもにはない興味深い話題を聴く事が出来ました。

 

 ≪全文は上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:谷崎潤一郎『吉野葛』(中公文庫)、折口信夫「信太妻の話」『折口信夫全集 (2)』(中央公論社)

コース:JR「北信太」駅(集合)―信太森葛葉稲荷神社―「信太の森ふるさと館」―鏡池史跡公園―聖(ひじり)神社―熊野古道・篠田王子跡―小栗判官笠掛松と照手姫腰掛石―JR「信太山」駅(解散)

<報告:岩井よおこ>

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