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2022.11.24 【報告】
第574回
建礼門院徳子と後白河法皇が歩いた江文峠(えぶみとうげ)を辿る
2022年11月13日(日)終了 <石元英雄記>
江文峠
朧の清水

天気:雨 参加人数:17名

 今回は、朝から雨の予報の中、叡電「市原駅」からバスで東へ渓を分け入り、静原の「城山」で下車して、大原まで歩きました。参加者は一般参加者を含め17名。
 生憎、11時頃から本降りの雨となり足下の悪い行程でしたが、京都北山杉の景観と大原盆地の風情を満喫し、寂光院を参拝しました。

■江文峠
 出町柳では小雨であったが、本ぶりとなっていた。しかし、洛中の吉田山から大原に移住するため、この道を歩いた建礼門院を偲ぶのにはふさわしい天候だったかもしれない。雨雲に煙る「静原城山」が、峠へと我々を優しく誘ってくれ、足下の傍を流れる清流の音が静かに歩調のリズムを作ってくれるのであった。
 筆者は、今回のテキスト『平家物語・灌頂巻』を読んでこなかったこともあって建礼門院が歩いた時、どのような風景だったかは、想像できないが、参加者の中には、あの頃はこのような杉林の山道ではなく難儀した旅ではなかったかなど、おもいおもいの想い巡らして歩いているようだった。ほぼ全員無言。

■大原入
 江文峠には小1時間ほどで着き、金比羅権現を山下から参拝。その先に峠の下り道があったが泥濘んでいて、取っ掛かりは急な下りで危険なので、府道を歩いた。ほどなく、人家の屋根がみられ旧道と合流して突き当りが江文神社。踵を返して明るい景色の中、やがて大原盆地が眼前に広がってきた。京野菜の畑、山麓の民家の屋並みが静かにしっとりと目に映る。大原の里である。建礼門院はきっと、この風景に旅の疲れを癒やされたに違いない。
「里の駅・大原」で小休止。この間に、筆者は九条葱の「ネギ焼き」をほおばる幸運を頂いた。ネギの歯触りと絶妙な甘さ……。優雅で素朴、なんとも言えない味である。

■朧(おぼろ)の清水
 寂光院に向かう小道に入り呂川の渓流を渡ると、道の両側に民家が並ぶ道となった。しばらく行くと「清水」があった。彼女はこの水で「お化粧直し」をしたのであろうと横井先生は、レジメに記されている。彼女の女心に想いを至らせておられるのだ。

 

 ≪続きは上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:『平家物語・灌頂巻』より「大原御幸」(角川ソフィア文庫)

コース:叡電「市原」駅―<市バス>―「城山」バス停…江文峠上り…金毘羅権現…江文峠下り(府道)…江文神社…大原・里の駅…朧の清水…寂光院…「大原バスターミナル」―「八瀬比叡山口」バス停 //「国際会館前」バス停

<報告:石元英雄>

 

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