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2022.12.26 【報告】
第575回
子午線が通る町で、松本清張を読む
2022年12月11日(日)終了 <松浦裕子記>
明石城公園
東経135度日本標準時子午線

天気:晴れ時々雨 参加人数:35名

 JR神戸線の新快速電車が垂水駅、舞子駅を過ぎると車窓に海が広がる。明石海峡大橋と淡路島が間近に見えるとまもなく明石到着。
 明石は釣りが好きだった亡き父が、当時よく蛸フェリーで淡路島へ出かけた。春には、「魚の棚(うおんたな)」に行って大量のいかなごを買い求め、炊いて近所に配る。それも楽しみの一つだった。一緒について行くと決まって明石の玉子焼を食べる。そんななじみの町「明石」。

 まずは明石城に向かう。日本の「都市公園100選」の明石公園内に城はある。大手門を入ると<とき打ち太鼓>がある。私は城にとき打ち太鼓のあるイメージがなく、明石ならではなのかと帰ってから、主人とネットで調べてみた。明石が標準時に決められたのは明治になってからという。とすると明石城でとき打ち太鼓が打たれるのは、近代になってからのことなのであろうか。いずれにしてもその音を聞いてみたかったものだ。
明石城は室町時代、三木城の支城として今より西測、明石川河口付近に築かれ、瀬戸内航路の中継点として繁栄した。江戸時代に入ると池田輝政は播磨国の居城を姫路城とし、船上城としての明石城は機能を失い、播磨三木明石十万石を領する小笠原忠政によって現在の明石駅前に築かれ今に至っている。
 日本百名城のひとつで国指定重要文化財の巽櫓や坤櫓はあるが、今日は見学はしない。乾櫓や艮櫓はないのだろうかなどと思った。

 明石市立文化博物館の前を通り、妙見宮にお参りして、天文科学館に到着。明石は東経135°の子午線が通り、日本の標準時として余りにも有名である。今日のテキスト「Dの複合」は松本清張がたまたまこの天文科学館を訪れたのがきっかけで生まれたそうである。
 プラネタリウムを見た後、昼食。午後は自由に館内の展示を見学する。もうすぐ冬至、一年で最も昼間の短い時期である。見学を終え、4階の日時計広場では人間日時計を体験する。太陽の高さに改めて宇宙と、その贈り物である時間を考えるひとときを持つことができた。

 

 ≪続きは上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:松本清張「Dの複合」(新潮文庫)

コース:「明石」駅…明石城公園…明石市立天文科学館…子午線標示柱…人麿山月照寺…柿本神社…腕塚神社…忠度塚(ただのり塚)…「人丸歌壇」(外観のみ)…明石市立中崎公会堂(外観のみ)…山陽「人丸」駅…魚の棚(解散後自由)

<報告:松浦裕子>

 

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