「みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ」(「新古今和歌集」996番、「小倉百人一首」27番) 今からおよそ1100年あまり前のむかし、中納言藤原兼輔が〝みかの原〟と詠んだ地が本日の舞台です。
みかの原は、瓶原、甕原、三日原とも書かれたようですが、 いづみ川(泉川)は現在の木津川のことで、その流れの北側に、元明天皇の離宮、そして聖武天皇の恭仁京が置かれました。その恭仁京遷都は、この辺りで勢力を伸ばしていた橘諸兄の強い要請があったといい、諸兄と藤原仲麻呂との複雑な対立関係が背景にあったとも言われています。
しかし結局、ようやく完成しかけていた新京建設は、天平14年9月にこの地方を襲った台風の猛威によって頓挫、聖武天皇の5年余で4度という遷都騒ぎへと発展します。ようやく国家が纏まりかけ、金銅の大仏(毘盧舎那仏)鋳造によってその威信を人心に広め、中央集権を確固たるものにしようとしていた時期の事でした。
瓶原を二つに分けて湧くように流れるいづみ川(木津川)ではないが、あなたとは多分あった事もない筈なのに、どうしてこんなに恋しいのだろう。そう詠われた川を渡ると、そこはもう恭仁京跡。今回は『続日本紀』と『天平大仏記』を手掛かりに、その地に立って聖武天皇の夢と、新京造営と遷都の謎を探ってみたいと思います。
*どなたでも事前の申込みナシに自由に参加できます。
集合日時 | 平成28年1月10日(日) 午前10時 |
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集合場所 | JR大和路線「加茂」駅・改札口 |
参加費 | 会員=800円 /会員同伴の18歳以下は500円(証明書提示) [資料代、保険料等を含む] 一般(会員外)=800円/同伴の18歳以下は500円(証明書提示) ※資料代300円は別途 |
その他 | 雨天も実施。 *午前7時に大雨洪水警報発表の際は中止 お弁当、お茶を携行してください。 参加者の不測の事故につきましては、応急の処置以外の責任は負いかねます。 |