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2013.05.17 【報告】
第475回関西文学散歩
~織田作之助が生まれた町と阿部定事件~
2013年5月12日(日)終了 <天気:晴れ 参加人数61名>

 本日のテーマは織田作之助と「阿部定事件」。僕はこの関係を知らず、とても興味を持って集合地に向かった。いつものように、会のスタッフの人たちが駅頭で受付をしていたが、気の毒に思ったのは、その場所が蛍光灯がすべて外された自動販売機裏側の一角であった事。受付場所として駅から許可されたのがこの場所だったという。一般乗降客に迷惑をかけないための配慮だろうが、市営なので、きっと節電・節約のために蛍光灯を外してあるのだ。ホームの光源が手掛かりの受付だった。

 さて、まずは梶井基次郎のお墓のある「常國寺」へ。郵送して貰った集合案内には、オダサクだけでなく、予定コース沿道の作家も紹介すると書いてあったので、オダサクと同年代でやはり早逝した梶井なのだ。本堂裏手にある梶井のお墓には、レモンが供えてあり、いつも誰かがこうして備えて行くそうだ。

 オダサクならば、「ラッキー・ストライク」というところか。

 国際交流センターでの宮川康先生の講演は、すこぶる面白かった。オダサクの「世相」に新作を書く動機とその作者の心情が描かれていて、その新作が「妖婦」という短編だという。僕はどちらも読んでいなかったが、「妖婦」は遺構で、オダサクがもう少し長生きしていたら、この未完に終わっている作品の続きを書いたかどうか…? すでに、猟奇とも言われた事件は阿部定の逮捕、判決で決着しており、その公判予備調書が巷に流れ、後年にそれが文庫本にもなっているという。この機会に、「世相」と「妖婦」は是非読んでみたいと思った。

 配布された宮川先生作成の資料も、会のレジュメも充実していて大きな収穫だった。この講演拝聴の後、谷崎潤一郎「春琴抄」ゆかり(?)の大蓮寺、名随筆家でもあったという画家の小出楢重の実家跡を巡り、オダサクの世界濃厚な道頓堀、法善寺横丁へと、太左衛門橋を渡った。 早くも行数制限オーバー、すみません。それにしても、毎回紙幅が足りないです。もっと行数を増やして貰えないものかなぁ。

 

テキスト:谷崎潤一郎『細雪』・在原行平、藤原定家など平安朝の歌人

コース :谷町9丁目駅…常國寺(梶井基次郎の墓)…国際交流センター(講演)…上汐公園(昼食)…生魂小学校と織田作之助の生家・実家跡…生國魂神社…生玉公園…大蓮寺…文楽劇場・文楽資料室見学…小出楢重実家(天水香店舗)跡…太佐衛門橋…法善寺横丁と水掛け不動尊など…大阪松竹座(解散:有志は公演中の音楽劇「ザ・オダサク」鑑賞)…最寄りの地下鉄「なんば」駅へ

 

<報告:田添浩一>

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