関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2013.07.30 【報告】
第477回関西文学散歩
~村上春樹の海と「太平洋ひとりぼっち」のマリーナ~
2013年7月14日(日)終了 <天気:晴れ 参加人数57名>
新西宮ヨットハーバー
傀儡師像

 熱中症を心配する昨今の暑さ。でも今日は、朝から薄曇りで助りました。集合場所には歳若い参加者の姿もちらほら、テーマが村上春樹だからかしら? 同道の最中に何か雑談でもできるかな? 

 西宮といえば、「戎さん」、傀儡師発祥の地、そしてお酒。予想通り、まずは駅の北西にある「傀儡師故郷」と題した説明板と銅像を見学。この地の傀儡師たちが「人形まわし」を各地に広めていった様子は、瀬戸内寂聴の小説「恋川」には紹介されていますが、村上春樹の「辺境・近境」には残念ながら触れられていませんでした。その紀行集に収められた「神戸まで歩く」では、村上さんは「阪神西宮駅で降りて、そこを出発点として西に向かってゆっくりと歩きはじめる。…」と、駅の南側を西へ向かって歩いて行かれています。

 西宮神社では、予定外だったようですが、神社の方の親切なお誘いで戎信仰の資料館を見学できました。各地にどのように戎信仰と人形まわしが伝わっていったのかがよく分かる展示で、クーラーの効いた資料室はやはり緑陰よりも涼しい。池のそばの茶店で振る舞われている(有料ですが…)、いま流行の冷やし甘酒もいただき、新西宮ヨットハーバーまでの、たぶん暑いだろう道程に備えました。

 「宮水発祥地碑」は立派な石像。脇には「宮水」が湧いているらしい大きな井戸。醸造水だからでしょう、分厚い蓋で覆われています。そして御前浜へ…。春樹さんの描写は浜つづきで西側の、香櫨園浜からの描写のようですが、文庫本に収載されている写真のアングルと同じ芦屋浜の高層マンション群が東向こうに見えていました。あの若い女性に聞くと「インターネットで見て興味が湧いて…」という事でしたが、すぐ目の前に広がっていた海は埋め立て地に遮られ、堀江謙一さんが「マーメイド号」ではじめて出港したハーバーも、その埋め立て地の南側に移設されたそうです。御前浜東端の「はね橋(可動橋)」を渡ってその新西宮ヨットハーバーへ。センターハウスの前には「サントリーマーメイド号」が、ハウスの中では「ミニマーメイド号」が海原への冒険を誘っていました。

 

テキスト:村上春樹『辺境・異境』・堀江謙一『太平洋ひとりぼっち』

コース  :阪神西宮駅…傀儡子銅像…西宮神社…宮水発祥碑…住吉神社…旧・西宮ヨットハーバー……御前浜…はね橋…新西宮ヨットハーバー(講演・解散)…希望者は酒蔵記念館などへ

 

<報告:田添浩一>

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