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2014.02.17 【報告】
第484回関西文学散歩
~「利休にたずねよ」と大徳寺聚光院特別公開~
2014年2月9日(日)終了 <天気:晴れ一時時雨 参加人数68名>
金毛閣
建勲神社から

 今月のテキストの1冊、「利休にたずねよ」の作者、山本兼一さんが2月13日に肺がんのため京都市内の病院で亡くなられたと、テレビ、新聞で報じられました。昨年12月にご体調が悪化され再入院しておられると風の便りに聞いていたものの、まさかの訃報。まだ57歳でいらしてさらに飛躍されると思っていましたし、4日前の9日に、文学散歩でその直木賞受賞作品を手掛かりに大徳寺を訪れたばかりでした。心よりご冥福をお祈りいたします。 

 9日当日は、そんなご病状の悪化もしらず、講演の後、まずは賀茂川の冬景色を一望。観光化されていないこの辺りは、冬鳥も川面に遊んでいて静かな京都の日常を感じさせました。そこからは大徳寺へ一直線。今日は利休ゆかりの大徳寺塔頭の一宇、聚光院が7年ぶりに特別公開されるというので、それを目的にご参加された方も多かったようでしたが、その前に「金毛閣」を見上げました。あの、利休が自像を造らせ置いたといういわくのある山門です。その2階部が件の「金毛閣」で、<山門>と<三門>の意味の違いも説明でよく分かりました。

 野上弥生子の「秀吉と利休」は、この事件を扱った作品の中では安定感があり、重厚でさすがと思わせる作品ですが、「利休にたずねよ」は、野上作品とはまた違う切り口で事件を扱っているようです。映画も見逃していましたし、帰りに早速本屋さんに立ち寄ってみたのですがあいにく在庫切れ。予約をして帰宅しました。

 もうじき「入荷しました」と電話があるかしらと思っていた矢先の山本氏の訃報。翌日の14日にお待ちかねの電話で、これから本屋さんに出掛けようと思っているところです。織田信長を祀る船岡山には紙幅を取れませんでしたが、この日、頂上から望見した市内の一隅の病院に、山本氏は病臥の時を過ごしておられたのですね。改めて、合掌。

 

テキスト:山本兼一『利休にたずねよ』、野上弥生子「秀吉と利休」

コース:京都地下鉄「北大路」駅…京都市北文化会館(講演)…賀茂川…新大宮商店街…大徳寺三門「金毛閣」…聚光院(特別公開拝観)…建勲神社・船岡山…「船岡山」バス停<解散後各自、北大路駅行き・京都駅行きなどのバスに乗車>

<報告:岩井よおこ>

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