関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2012.11.20 【報告】
第469回関西文学散歩
~大阪の玄関口は青春と彷徨の町~
2012年11月11日(日)終了 <天気:雨時々曇り 参加人数51名>
50年ぶりに開いた図書館正面玄関

 定例の第2日曜日が近づくと、気になるのはお天気。1週間前の天気予報ではこの日は雨、3日前、2日前になってもやはり雨。とうとう当日の朝、予報は残念なことに的中した。

 あいにくの雨の中、それでもと集合場所のJR天満駅には、50名ほどの人たちが集まり、「雨なので、なるべく早く図書館に到着いたしましょう」という司会者の案内で、府立中之島図書館に向けて出発した。天満周辺は、昔は湿地帯で扇町公園は刑場だったこともあったとか、そういう所は意外に繁華になるものなのか、江戸時代以降は、北組、南組に次いで「大坂三郷」の天満組と呼ばれる繁盛地に成長したそうだ。そういえば、各地の商店街が消沈していく時代に、いまも天神橋筋商店街は元気がイイ!!

 大坂城落城で散った淀殿の墓もある太融寺にお参りする。北新地に近いこんな町中に、弘法大師空海が感得したという清水がいまも小さな滝になって流れ落ち、不動像にお百度を踏んで祈っている人に行き合わせた。近松の「曾根崎心中」の舞台でもあるお初天神(露天神社)南側の歩道橋の向こうは、「河庄」跡の碑もある曾根崎新地。お初と徳兵衛が道行きした樹下闇の森は、いまはネオンの森だった。そして宮本輝の「星々のかなしみ」に描かれた西天満の骨董ギャラリー街。堂島川を渡れば中之島図書館で、特別に開放されている正面玄関の南側の植えこみの中に「難波津のまなかに植えし智恵の木は五十年を経て大樹となりぬ」と刻まれた川田順の水中歌碑があり、図書館機能を失ってしまうかもしれない府市統合に関わる動きを心配そうに見守っていた。

 

テキスト:織田作之助『大阪の憂鬱』『わが文学修行』・宮本輝『星々の悲しみ』

コース:「天満」駅…扇町公園…太融寺…お初天神(露天神社)…西天満界隈…鉾流橋…府立中之島図書館文芸ホール「織田作之助の世界展」…三好達治文学碑…「淀屋橋」駅

<報告:岩井よおこ>

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