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2022.07.28 【報告】
第571回
「大坂峠」は、古代が満ち満ちる葛城鞍部の道
2022年7月10日(日)終了 <石元英雄記>
万葉歌碑
鹿島神社

天気:晴 参加人数:36名

■鹿島神社に参拝する
 近鉄大阪線、香芝市の近鉄下田駅に集まったのは36名。
 猛暑の7月の開催とはいえ、天気予報は曇り、強い日差しに晒されることはないであろうとの見通しであった。が……。
 まず駅からすぐの鹿島神社、それほど大きくない境内。本殿から、宮参り1組の祝詞が流れていた。無事の出産を感謝し、赤ちゃんの健やかな成長を祈る、儀式だ。直接の縁者ではないが、晴れやかで敬虔な気持を頂いた次第である。
 池田宮司さんが「平治の乱に破れた義朝の冥福と源氏再興の願い、義朝の家臣の子がこの地に、常陸国一宮・鹿島神宮の武甕槌神(たけみかつちのかみ)を勧請して創建された」とのお話をして下さった。

■香芝市二上山博物館にて、二上山の火成岩について学ぶ
 鹿島神社から西に10分ほどに、ふたかみ文化センターがあり、その1階に二上山博物館がある。全国初の旧石器文化を紹介する石の博物館である。
 二上山は千数百万年前に大噴火した火山で、その火山活動によって多くの火成岩が生成された。その中で、サヌカイト、凝灰岩、金剛砂が、旧石器時代以降の文明に多大な貢献をした。博物館では、この3つの岩石・鉱物と、人々と暮らしを歴史的に展示している。
 展示物を背に教育委員会の学芸員・西垣遼先生が、分りやすく丁寧に説明して下さった。サヌカイトは後期石器時代の鋭利な生活用具、凝灰岩は古墳時代の石棺などに、また奈良・平安時代では寺院の礎石や灯籠などに使われたのである。金剛砂は奈良時代以降、研磨材に用いられ、明治大正時代以降はサンドペーパーとして産業化され、この街の繁栄に大きく寄与している。
 二上山と言えば、悲劇の大津皇子を偲ぶ、美しくも悲しい山との印象をずっと抱いていたが、この博物館に来て、火山、二上山が生成した火成岩がもたらす、生き生きとした人々の生業の歴史を初めて学んだ思いである。この企画をして頂いた横井先生に大感謝だ。

 

 ≪続きは上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:司馬遼太郎『街道をゆく‐(1)』(朝日文庫)、靍井忠義『葛城の神話と考古学』(青垣出版)

コース:近鉄大阪線「近鉄下田」駅…鹿島神社…香芝市立二上山博物館…今池親水公園…穴虫峠…近鉄南大阪線「二上山」駅(解散)

<報告:石元英雄>

 

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