今回は「JRふれあいハイキング」の冊子で知って参加された方が、比較的多かったようだ。JRの駅集合の時はその冊子に案内が載ることになっているのだが、あの人も初めてだな、この人も多分…というのは、ご様子を見ていると分かる。最初はやはり打ち解けにくいのだろうか。そんな、まだ際立ったところもある空気も、荘厳浄土寺でご住職のお話をお聞きするうちに和んでくる。白河法皇の勅願で住吉大社にも関係するお寺の創建、平安時代の熊野街道と近世頃からの熊野街道の道筋の違い、境内地から出土した古瓦、津守国基の歌などへと、お話は縦横に飛んでいく。そのうえに面白く、座り込んで拝聴する皆さんの絶え間ない笑いが阿弥陀堂に響き、その後の昼食が終わる頃には一座がゆるやかな円になっていた。
荘厳浄土寺の山門前は住吉街道で、この街道はすみよし村ギャラリー西方の四ッ角、高燈籠のミニュチュアが建物目印の「住之江味噌・池田屋本舗」の角で近世の熊野街道と交差する。近年に「熊野古道」と整備されたその道から少し寄り道して市民交流センターへ。講師の高橋俊郎氏の講演は伊東静雄の大阪時代のお話。終了後、万代池の西畔に通じる熊野街道をさらに北へ進み、姫松交差点を過ぎて少し西に入ると、やがて住吉高校だ。校庭の北側庭園に、同校同窓会によって建てられた〝わが死せむ美しき日のために〟で始まる「曠野の歌」の詩文を刻んだ碑が、輝くように堂々と建っていた。
コース:JR長居駅-神須牟道神社-荘厳浄土寺(ご住職お話・昼食)-すみよし村ギャラリー-市民交流センター(講演)-万代池-大阪府立住吉高校(伊東静雄詩碑)-阪堺電車・北畠駅(解散)
<報告:岩井よおこ>