関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2023.03.24 【報告】
第578回
たこ焼き文化を小説化―人情がいっぱい詰まった気軽な書
2023年3月12日(日)終了 <松浦裕子記>
六道辻閻魔堂地蔵尊
阪堺「恵美須町」駅

天気:晴れ 参加人数:31名

 カルチャーウォーキング、今月のテキストは蓮見恭子さんの『たこ焼きの岸本』、前月末に届いた案内にもあったようにライトノベル。内容は「大阪のたこ焼き文化を小説化、住吉鳥居前商店街で、たこ焼き屋を営む主人公・十喜子さんが、身の回りでおこる事件を解決する人情話」とある。一日、否、半日で読めた。

 私自身は京都に生まれ住み、今はなじみの大阪は高槻、豊中等の北摂と、時々買い物や遊びに行くせいぜい梅田まで。でも関西でありながら京都とは違った、大阪の明るいノリのよい文化が好きで、この文学散歩でもディープな大阪にかかわる場所の時は参加を楽しみにしている。今日はまさにそれだ。

たこ焼き、チン電(阪堺電車)、すみよっさんである。

 大阪メトロ「恵美須町」駅の階段を上ると目の前にとびこんできたのは通天閣、やっぱりすごい。上った記憶はない。最近ではコロナ禍で赤や黄色に点灯するのをテレビで見ている。ここから出発。今日は作品の舞台が商店街。それも架空の。そこで町の歴史的背景を知るコースを歩く、とレジュメにある。私の好きな大阪の町の歴史を学ぶのは楽しみだ。

 まずは江戸の俳人・小西來山が住んでいたという十萬堂跡だ。西鶴、芭蕉と同時代の人という來山を、私は知らなかった。素直で日常の中の美を求める姿勢、中には理屈臭い句もあるということたが、レジュメに紹介された句は、どれもおもしろい。文学碑は現在、阪堺電車の駅改修で避難中という話だったが、再建されたら訪れてみたいと思う。

 次に待望の阪堺電車に乗る。(これは昔、乗ったことがある。子供の頃、親に連れられて浜寺公園に遊びに行った) 一輛で、ガタゴトと路面を走る。駅名をひとつずつ確認しながら楽しい。紀州街道と並走しているらしい。そして「東粉浜」駅に到着。かつてこのあたりは海に面していて、粉浜という地名の由来もいくつかある。またかつての木津村から、勝間村(現在の玉出)を経て粉浜に至る勝間街道も通り、紀州街道のバイパスとしての役割も担っていた。

 

 ≪続きは上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:蓮見恭子「たこ焼きの岸本①」(ハルキ文庫)

コース:メトロ「恵美須町」駅…小西來山十萬堂跡…阪堺「恵美須町」駅=「東小浜」駅…六道辻閻魔堂地蔵尊…生根神社…小浜商店街(昼食買い出し)…住吉公園(芭蕉句碑・潮街道)…住吉高燈篭…<細井川>…住吉大社 (解散後自由)

<報告:松浦裕子>

 

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