関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

ホーム > 関西文学散歩 カルチャーウォーキング > 報告 > 詳細
2014.12.22 【報告】
第493回関西文学散歩
~「神戸ものがたり」に描かれた居留地跡~
2014年12月14日(日)終了 <天気:晴れ 参加人数55名>
文藝館講義室にて
陳舜臣アジア文藝館正面

 集合案内に、新年1月には阪神淡路大震災から20年目を迎えると書かれていて、本当に「光陰矢の如し」だと思いながら新たな気持で集合場所へ向かいました。その案内の冒頭にも、駅頭で配られたレジュメにも、「……私たちはほとんど茫然自失のなかにいる。
それでも人々は動いている。このまちを生き返らせるために、けんめいに動いている。亡びかけたまちは、生き返れという呼びかけに、けんめいに答えようとしている。」という陳舜臣さんの「神戸へ」(『神戸ものがたり』所収)の文章が引用されていました。

 元町駅にはアジア文藝館の方が出迎えて下さっていて、お二人のご案内で旧居留地跡碑、三宮神社を見学、そのあと文藝館へと向かいました。稲垣足穂が「北に紫色の山々がつらなり、そこから蒼い海の方へ一帯にひろがっている斜面にある都市―<中略>―山ノ手の高いところにならんでいる赤やみどりや白のいえいえを車窓からながめて、まるでおもちゃ箱のようだ……」(「星を造る人」より)、といった町です。そんな町があの時、殆ど壊滅状態に近く喘いでいたのを、私もその翌日に見たのでしたが、駅から海岸通りへ進んでいくと、それこそ陳舜臣さんの言葉に応えて町が「生き返っている」と実感します。


 気温が急に下がった寒さの中、館内に長居をさせていただき、講演、昼食、見学の時間をゆっくり過ごさせていただいたのはとても有難い事でした。田中保三さんの地震間際の事や、その後の町の復興のお話などもお聞きし、災害への備えの大切さもまざまざと感じました。そして館を辞し、前田康男さんにご案内いただいて神戸外国人居留地跡を巡りました。やはり20年目を迎える「神戸ルミナリエ」に待機する人たちもすでに集まられていて、三分の二ほどしか回れなかったように思いましたが、前田さんの懇切な解説で改めて旧居留地を見直しました。さて解散。少し時間を潰して「ルミナリエ」を見て帰ろうかなァ……。

 

テキスト:陳舜臣『神戸ものがたり』、稲垣足穂「星を造る人」(『稲垣足穂全集』)

コース:JR元町駅…居留地跡の碑(大丸前)…三宮神社…陳舜臣アジア文藝館 (講演と見学と昼食)…神戸外国人居留地跡[商船三井ビル、神港ビル、博物館、旧居留地15番・16番の境界煉瓦壁、十五番館など]…居留地跡エリアで解散<最寄駅:阪急・阪神「三ノ宮」駅、JR「三宮」駅>

<報告:岩井よおこ>

 

織田作之助賞
織田作之助青春賞
文學回廊
入会のご案内はこちら
PDFの閲覧はAdobe Readerを
ダウンロード(無償)してください。
ページの先頭へ