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2012.12.14 【報告】
第470回関西文学散歩
~山城古道沿いのお茶の道と日本一の石地蔵~
2012年12月9日(日)終了 <天気:晴 参加人数63名>
泉橋寺に向かう道中
森徳の茶 本店にて

 本日は『古事記』編纂1300年記念の3回目。『記紀』に、「波布理曽能→祝園」「懸り木→相楽」などと面白い地名由来で登場する山城地方を散策する計画だ。寒気が襲ってJR沿線では今年初の雪景色も見られたが、集合地の上狛(かみこま)駅周辺は雪が降った形跡もなく、まずは安堵。だけど冷え込みは厳しい。

 環濠集落を巡っている間は、家並が風よけにもなってくれ、山城郷土資料館へ向かう道筋は、吹きっ晒しの田圃が広がっている様子でちょっと躊躇したが、日差しがあたたかく有難かった。

 郷土資料館での学芸員の方の懇切な説明で、崇神天皇時代の山城地方と大和王権との関係もよく分かった。展示品の中には当時のものと思われる鉄錆びた甲冑もあり、それを見ながら負け組ゆえの地名由来なのかと推理してみるのも面白い。午後は、渡来が高麗からか、高句麗からかは定かでないものの、彼らのうちの一族が建立したらしい高麗寺跡を見学し、山城古道でもある「茶問屋ストリート」へ向かった。

 木津川が大きく北へ流れを変えるところは、きっと洪水の被害も多かったのだろう。日本一の大きさだという石地蔵が、いまもそんな木津川と、冬の青空の下で私たちをほっこりと見守ってくれている。そろそろ陽がかげりはじめた帰り道、森徳の茶本店での熱いお茶の接待が、お地蔵さんの慈悲をいっそう温かくしてくれたようだった。

 

テキスト:『古事記』、『日本書紀』

コース:JR上狛駅…上狛環濠集落…京都府立山城郷土資料館(展観と説明)…高麗寺跡…泉橋寺(日本一の石地蔵尊)…茶問屋ストリート(「森徳の茶」本店)…JR上狛駅

<報告:岩井よおこ>

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