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2013.04.30 【報告】
第474回関西文学散歩
~谷崎潤一郎「細雪」と桜降る広沢池の畔を歩く~
2013年4月14日(日)終了 <天気:晴れ 参加人数81名>
広沢池、弁天島の観音さま
古道ハイキング

 谷崎潤一郎では、当会で以前「少将滋幹の母」をテキストにして曼殊院や音羽の滝周辺を文学散歩したことがあった。谷崎ファンの僕としては、とくに谷崎の王朝ものが好きな僕は、今回の文学散歩は楽しみだった。それも、桜の真っ盛りの時期。いや、これは今春は開花が早く、あちこち葉桜で見事に期待を裏切られた。が、思いがけなかったのは、佐野藤右衛門氏の「桜園」で、見事な枝垂れ桜に出迎えられたことだった。

 広沢池東畔には広々とした芝生の庭があり、「平安郷」というそうだ。通常は入園不可だが、振興会の方で特別に許可を取ってくれていて、大威張りで入園できた。まあ敷地の広大なこと。遍照寺山を借景にした庭園の真ん中に渓流を配し、芝生広場の奥には数寄屋風の建物が設えられていた。桜の開花が早かったせいか、モクレンや山吹など、一斉に春の花が庭のあちこちで競い合っている。「京都在住の人でも入園した事の無い人が多いのですよ」と道連れになったご婦人からお聞きし、今日の幸運に改めて感謝した。

 さて、谷崎の「細雪」は、兵庫県芦屋が舞台というイメージが強いが、4人姉妹は毎年春になると、ここ広沢池の畔(ほとり)で、桜をバックに写真を撮って貰うという設定になっている。在原行平を先駆けにして平安朝の多くの歌人たちが「千代の古道」を詠んでいると講師から紹介があったが、谷崎も古雅な名のついたこの道を、実在の4人姉妹と一緒に歩いたことだろう。終日、そんな気がするのどけしき一日だった。

 

テキスト:谷崎潤一郎『細雪』・在原行平、藤原定家など平安朝の歌人

コース :JR「嵯峨嵐山」駅…辻堂…遍照寺…佐野桜園…平安郷(特別入園)…広沢池…児神社…旧遍照寺遺跡群…千代の古道石標…大沢池~大覚寺(拝見は自由、解散)→帰路は各自路線バスか徒歩で最寄り駅へ

<報告:田添浩一>

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