関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2015.08.18 【報告】
第501回関西文学散歩
~官兵衛のルーツと北国街道木之本宿~
2015年8月9日(日)終了 <天気:晴れ 参加人数53名>
SL北びわこ号
黒田家始祖御廟所

 司馬遼太郎さんの『播磨灘物語』は、黒田官兵衛の出自から始まっています。それによると、官兵衛の家祖は源宗清で、長浜市黒田の人であるとか…。その歴史を訪ね、大河ドラマ「官兵衛」進行中の昨年8月に当地を探訪する筈だったのですが、この日があいにくの暴風雨。結局、文学散歩は中止になったのでした。後で聞くと、昭和48年にこの会が創設されて以来、初めての中止だったとかで、これも凄い、と改めて思いました。

 さて、木之本駅へ集合すると、もう間もなく、SL北びわこ号が到着予定というではありませんか。私たちは官兵衛のルーツ探訪なので目的は違えど、せっかくのSLを見逃す手は無い! さあ出発、を少し遅らせて貰い、まずは昔どおりにモクモクと煙を吐いてホームに入ってくる「C56号」を待ちました。駅横の駐車場のフェンス沿いは、SLファンの人たち、写真家の人たち、そして私たちで人だかり。しばし皆で見とれていましたが気分一新、「手前の山に隠れて見えないけれど、あそこに賤ヶ岳。こちらの山には豊臣秀長が陣を布いていたのです」と、西川先生の説明をお聞きしながらフムフムと頷き、黒田の溝屋敷跡へと向かいました。

 溝が巡らされていたので「溝屋敷」。ここに源宗清、黒田家家祖の屋敷があったそうです。池の前の築山に「黒田氏旧縁之地」なる大きな石碑。その右横の祠の「源宗清」の文字が読める小さな石碑が、昭和48年に集会所改築の際に発見され、「黒田家家譜」の記述を立証したのだそうです。集落の人たちがお守りされている正覚寺で先生のご講演をじっくりと拝聴し、昼食後に国重文の観音様拝観のために黒田観音寺へと向かいましたが、境内の官兵衛ゆかりと伝えられる墓碑はいささか?らしく、先生はこれには触れられませんでした。

 北国街道の宿場はずれ、北見附辺りから木之本宿へと入りましたが、この道を秀吉軍は大駆けしたのでしょうか。街道筋の人たちにとっては迷惑千万な事だったのでしょうが、そんな歴史遺産がいまこの宿場を賑やかにしているのも事実のようです。栄枯盛衰を見ておられただろうお地蔵さんも、どことなし晴れやかなお顔でした。

 

テキスト:司馬遼太郎『播磨灘物語』・吉川英治『黒田如水』

コース:木ノ本駅…黒田氏旧縁之地…正覚寺(講演)…黒田観音寺(国重文の観音像拝観)…牛馬市跡(山内一豊の名馬ゆかり)…木之本地蔵院<途中解散>…きのもと交流館…木ノ本駅

<報告:岩井よお子>

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