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2019.09.13 【報告】
第549回
~「天上紅蓮」であるく平安貴族の暮らしと習俗~
2019年9月8日(日)終了 <岩井よおこ記>
地下鉄「二条城前駅」集合
平安京創生館にて

天気:晴れ 参加人数:33名

 天気予報では京都の気温は36度、暑い一日を覚悟した。「影を慕いて~、でコースを進みましょう」という司会の方の声。往年の流行歌の歌詞に、若い人には通じないなぁと思いながら周りを見渡すと、ほぼ皆さんに通じているらしい。二条城の濠端にさわやかな風が吹き渡り、堀川通りから西へ角を曲がると、影も伸びていて意外に涼しかった。

「今日は、午前中は❍❍❍跡ばかりを辿ることになります。暑いので、早い目に平安京創生館へ辿り着いて、涼しい所で過ごしましょう」と案内があった。都跡を歩くのだから、碑や説明版ばかりなのだろう。待賢幼稚園・待賢小学校の前には、京都所司代跡の碑が正門前にあって、これは時代が違うと思っていると「この北側の椹木町(さわらぎまち)通りの所に、待賢門という平安京大内裏の外郭門の一つがあった」そうだ。「幼稚園などの名称は、それに因んで付けられたのでしょう」と説明があった。今日の主人公・璋子(たまこ)さまの院号はこの門に因んでいたのか。

 角田文衞氏によると「待賢門院とは、崇徳天皇が生母藤原璋子に送った女院号であり……「璋子」の璋は、圭璧のことで、訓みはタマ(玉)であるから、「タマコ」と訓むのが正しい。平安時代における×子型の女性名は、すべて訓読したのであり、「璋子」を「ショウシ」と音読したりするのは誤りもまた甚だしいのである」。ガーン! これまで「しょうし」と詠んでいた。美福門院得子も「とくし」ではなく必ず「なりこ」と詠まねばならなかったのだ。今更ながら、教えられた。

 東に待賢門があったという椹木町の細い通りを西へ辿り、二条城北小学校の角を北に曲がると、平安宮内裏南限跡と建礼門跡の説明版があった。『源氏物語』にも登場する内裏のメインゲートがここだったのだ……。

 

 ≪全文は上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:渡辺淳一『天上紅蓮>』(文春文庫)、角田文衞『待賢門院璋子の生涯』(朝日選書)

コース:地下鉄「二条城前」駅―神泉苑遺跡展示コーナー─待賢門阯―平安宮内裏説明板―平安宮内裏承香殿阯―大極殿遺阯―京都市平安京創生館(昼食とお話)―平安宮大内裏朱雀門阯―JR・地下鉄「二条」駅

<報告:岩井よおこ>

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