関西文学散歩 カルチャーウォーキング 詳細

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2013.03.21 【報告】
第473回関西文学散歩
~伊東静雄を育んだ美原の風景の中で~
2013年3月10日(日)終了 <天気:曇り後雨 参加人数56名>
雨の町並み
伊東静雄コーナーにて

 天気予報は曇り、一時雨だった。講演会場の会議室がある美原区役所まで、何とか雨が降り出さなければいいねぇ、という声が道々聞こえる。前半は順調。何とか持ち堪えそうで、伊東静雄が「…踏みなれた野の徑を 小さい石橋の下で 横ぎつてざわめく小川 なかばは草におほはれて…」と「野の花」に歌った小川や石橋のあるところまで、田圃が広がる長閑な道を進んだ。時折り鳶が空を舞い、住宅の間からは草いきれも匂い立つ。

 「夕映え」という詩、「わが窓にとどく夕映は 村の十字路とそのほとりの 小さい石の祠(ほこら)の上に一際かがやく……」の「石の祠」は、伊東の旧宅跡の表角のお地蔵さんであった。講師の井渓先生が、その前の空き地で、当時の詩人の様子を説明をして下さる。そして、夫人が勤めていたという黒山高等実践女学校(現在は黒山小学校)を過ぎ、府立農芸高校に差し掛かった頃に、ポツリポツリと雨。『徒然草』に登場する「ますほの薄」ゆかりの阿弥陀寺到着直前でザァーっと降り出した。

 ご本堂を開放して下さっていて、ご住職の説明の間は、しばし雨宿りともなって有難かった。しかし、そう長くは居られない。講演会場には、すでに伊東の故郷である諫早市から、上村先生が到着されている頃だからと説明があり、雨に追われるように急いで区役所へ。上村紀元先生は、愛していた故郷を追われるように去った伊東について熱っぽく語られ、もっと長くお話が聞きたかったと思った。

(文学碑除幕式は翌11日でしたが、前日に覆いを少し払って特別に見せていただきました。感謝!)

 

テキスト:伊東静雄詩集『反響』・吉田兼好『徒然草』

コース :JR「北野田」駅…伊東静雄旧宅前のお地蔵さん…阿弥陀寺…元・黒山高等実践女学校…美原区役所(講演と展望ロビー「詩の小径」見学)…伊東静雄文学碑…美原区役所前バス停(解散)→帰路は各自路線バスで近鉄「松原駅」か南海「初芝駅」へ

<報告:岩井よおこ>

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