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2022.05.27 【報告】
第569回
社会学者が小説「リリアン」を書いた―我孫子周辺を辿る
2022年5月8日(日)終了 <松浦裕子記>
あびこ観音寺
依網池(よさみいけ)跡

天気:晴れ 参加人数:42名

 ゴールデンウィーク最終日の5月8日(日)。今日の集合は大阪メトロのあびこ駅。今回の受付は駅頭ではなかった。要所、要所に道案内の方々が立って下さっていて、無事あびこ観音にたどりつく。ここは、地元の方々にとって身近な観音さまなのだろう。出発を待っている間にも何人もの方がお参りに来られる。

 10時を過ぎ、出発前のお話がはじまる。ここ、あびこ観音(大聖観音寺)はもと漁師ともいわれている依羅吾彦(よさみのあびこ)という百済系渡来人が、百済王に贈ってもらったという一寸八分の聖観世音菩薩様がご本尊である。前回4月の大黒寺(羽曳野市)は日本ではじめて大黒天がまつられたお寺、今回は観音様と、これで二つのはじまりのお寺におまいりしたことになる。次にあびこ筋から庭井という一画にむかう。ここに古事記、日本書紀に記され、万葉集にも歌われている古代のため池、依網池(よさみいけ)があったそうである。その跡地を示す石碑、そして向かい側には大依羅(おおおさみ)神社が鎮座している。この一帯はかつて、大依羅郷、依羅郷とよばれており、大依羅神社はその地域神として祀られたとされている。そんな古代からの神社であることに驚く。宮司さんが御不在ということで禰宜さんのお話を聞く。神社では最近ホームページ、インスタグラムをはじめられたとのこと。観光としてではなく、祈りの場として発信されていて若い人のおまいりも増えてきていると喜んでおられた。

 あびこ観音、大依羅神社ともに樹齢300年とも800年とも伝わる大楠が鎮座しており、とりわけ大樹に神が宿るという日本人の精神にあらためて感心した。

 途中、神社の横の公園でお昼をとり、午後はいよいよ『リリアン』の街を訪ねる。

 社会学者岸政彦さんの小説『リリアン』は、第38回織田作之助賞の受賞作。社会学者ってどのような人。その小説ってどんな感じと思っていたが読みはじめると大阪弁が何ともここちよくやさしい。主人公と、飲み屋で知り合った年上の美沙さんとの日常が語られていく。そして主人公の職業はジャズベーシスト。

 

 ≪続きは上記PDFファイルをご覧ください≫

 

テキスト:岸 政彦『リリアン』(新潮社)

コース:大阪メトロ「あびこ」駅…あびこ観音寺…大依羅(おおよさみ)神社…依網池(よさみいけ)跡…長居公園…長居植物園…大阪メトロ「長居公園」駅

<報告:松浦裕子>

 

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